母数が少ない単独忍び猟ハンター
内地でニホンジカやイノシシの単独忍び猟を主にやっている狩猟者は狩猟者全体から見てかなり少なくマイノリティーな猟方だと思います。「全国単独忍び猟の会」は出来ましたが、登録は12人と予想通りといえば予想通りな結果ですね。今回は単独忍び猟メインのソロハンターが使用している猟銃について思うところ書いてみました。
銃の運用方法は巻狩とは大きく違う
「スコープはヤブに引っかかって邪魔」
「ヤブに引っかからない21インチバレルがいい」 というような話を猟師から聞いたことがある人はいませんか?たぶん聞いたことがある人もいると思いますが、ぼくがやる単独忍び猟の場合は
「まずほとんどヤブに入らない」ので重いと感じることはあれど邪魔と感じることはありません。というかヤブに頻繁に入らざるを得ない猟場ならぼくでもスコープは外します。
スポンサードリンク
単独忍び猟メインの狩猟者が使う猟銃
山のクジラを獲りたくて やまくじさん やまくじさんの使用している銃はミロクの傑作スムースボアスラッグガンMSS-20の弾倉1発、固定チョークの中期型です。ぼくも同モデルを以前使用していました。ブローニングの珍しいボルトアクションスラッグガン専用2-7倍スコープをのせられています。2挺目のボルトは12番ターハントで現在は1-4倍ショートスコープをのせられていますが、将来的に高倍率を購入されるみたいです。
ヤマガカシ カカシさん スケアクロウ(カカシ)さんの使用されている銃も同じくミロクMSS-20、ライフルドチョークの後期型を使用されています。スコープはリューポルド2-7倍とやまくじさんと同じ倍率のスコープを使用されていますね。ロシア製のモールドで作成したハンドロードスラッグは100mのレストシューティングでワンホールショットという驚愕の命中精度を叩き出しています。最近はヘッドネックを狙うのに8倍では物足りないと最大倍率12~15倍程度のスコープを探されているとか
ハイキングハンティング.txt リロ氏 ぼくもサベージM210といれかえてしまいましたが、以前MSS-20を使用していました。セッティングはVortexのストライクイーグル1-6倍 30mmスコープを使用。ぼくの場合は気取られて走られたシカにも撃ち込みますし、ヤマドリがいれば散弾を込めて撃ちます。近距離でも対応したいと思っているのでこういったTrue1xのあるドットサイト的運用が可能なスコープを使用していました。
現在使用しているM210でVortex Viper 1-6倍のスコープを使用しています。デフォルト1倍設定。しかしぼくが1番山に持って行って結果を出している銃はレピーターのレミントンM870です。ハーフライフルではなくスムースボアで現在は1.5-4倍のショートスコープをのせています。MSS-20ほど命中精度は高くありませんがレストシューティングで出した結果を見る限り100m先のバイタルを撃ちぬく性能があります。操作性が良くて単独忍び猟で求める機能やスペックをほぼ完全に満たしている銃です。
参考:猟銃 レミントンM870を使ってみて 他にはオートでベネリM2、クレーや鳥も撃ちたいのでドットサイトをのせて運用しています。ただスラッグもフロントレストでかなり高い命中精度があるので(50mフロントレストでワンホールショット)シカもバリバリ撃てますね。ドクターサイトなので目の前で走られたシカへの対応がしやすいですし、50m先のバイタルでも十分狙えます。
やまくじさんもベレッタのオート、カカシさんもレピーターのM870を所持されていますが、ツイッターで覗かせてもらっている限りほとんどボルトアクションで出猟されているようですね。
単独忍び猟の会を眺めているとほとんどの人のメインが「ボルトアクション式スラッグガン+スコープ」の組み合わせでした。サベージ、ターハント、モスバーグ、ミロクなどなど…皆さんが求めるのは
One shot One kill (一撃必倒)であり、 連射性や装弾数の優先順位は低い印象でした。ぼくもレピーターメインですが、実際は一撃必倒の優先順位が高いです。
スポンサードリンク
スコープの運用方法の違い デフォルト倍率は?
やまくじさんとカカシさんは2-7倍スコープをデフォルト4倍設定で歩き回っているそうです。ぼくは1-6倍でデフォルト1倍ですね。この違いは単純に自分が獲物を見つける距離を考慮した上で即応性の高い倍率に設定されているんだと思います。
ぼくの場合は長くドットサイトを使用していたこともありますし、近距離でも素早く対応できることのメリットを知っているつもりです。だから1倍へのこだわりがありますが、実際のところは遠くで見つける場合が多く1倍で撃つことはあんまりありません。「見つけた!」からパワーノブをぐるりと回して銃を構えるまでのタイムロスがお二方よりも多いはずです。常時4倍設定なら少しだけパワーノブを回せば2倍でも7倍でも切替が可能なので無警戒の四つ足を撃つ機会が多い単独忍び猟においては対応しやすい設定であると思います。
単独忍び猟で棒立ちや無警戒の四つ足オンリーで狙っていくならやまくじさんやカカシさんのスコープ設定の方が理にかなっていると思いますね。ただぼくは昔からゲームをするにしても「オールラウンダー型」を選んでいく性格なのです。オンラインFPSをよくやっていた頃も発射レートが高い銃、1発の威力が高い銃、装弾数が多い銃、遠距離から狙える銃、近距離に特化した銃などいろいろある中で「1発の威力がそこそこ高くて、連射がそこそこできて、それなりに遠くが狙えて…」のような「どんな時でもそれなりに使える銃」を選んでいました。M870やTrue1xショートスコープを選ぶ理由もそれと同じですね。よく言えばオールラウンダー、悪く言えば器用貧乏といった感じです。あとは腕でカバー!
してるつもりです 追記:やまくじ「最近は7倍に合わせて歩くことが増えてます。」

カカシさんと同じく「高倍率志向」になってきてたとのことです。
「50mそこらでスコープなんていらんやろw」という狩猟者も多いですが、実際単独忍び猟で実績を上げている狩猟者からすれば
「50mでも高倍率が欲しい」 ネックやヘッドを正確に狙っていくなら納得です。ぼくも4~6倍ばかり使っているので「もう少し倍率があれば」と思わされることもあって
「もうちょい倍率があればネックを狙えるけど、遠いから肩甲骨を砕こう」ということも多いです。
「スムースボアスラッグガンでも正確に撃ち込みたいなら高倍率のスコープが必要」といったところですね。
スポンサードリンク
猟銃は特化型か? 汎用型か?
特化型『ボルトアクション+最低倍率2~4倍のスコープ』 単独忍び猟ではこの遠距離特化型が多い印象です。弾速の遅いスラッグをカバーするボルトアクション独特の短いロックタイムとキレのあるトリガー、広いエジェクションポートからの素早い初弾装填。連射性能や装弾数の優先順位を下げて一撃必倒に全てを捧げています。棒立ち、無警戒、もしくは走られた後に立ち止まったイノシシやシカが狙いやすく、さらに木化けしたヘッドやネックをストレスなく狙いこんでいくならば50mでも7~8倍は必要でしょう。ハーフライフルでさらに遠距離を狙っていくならそれ以上の高倍率を求めるハンターもいます。
ヤマドリや小型狩猟獣を狙わないのでスムースボアでも散弾すら持ち歩かないハンターもいるようですね。
単独忍び猟:特化型の猟銃 ミロクMSS-20、サベージM212/M220、ターハント、A-bolt、モスバーグM695などなど
バレルと相性の良い銅サボットスラッグを使うことでさらに遠距離を狙うことができます。
単独忍び猟:特化型の光学 2-7倍、2-8倍、3-9倍、4-12倍などの50m先にある木化けしたヘッドやネックを狙いやすい8倍前後の軽量な1インチスコープ
倍率のデフォルト設定は4倍前後にしておけば近くても遠くても少しだけパワーノブを動かすことで素早い対応ができます。
汎用型『オート、レピーター+最低倍率1倍のスコープ』 1インチ低倍率スコープと比較して多少重量がありながらも広い視野と余裕のあるアイボックスでドットサイトのように使える30mm1倍スコープをチョイス。目の前を走り抜けるニホンジカやヤブから飛び出してきたイノシシなどの近距離射撃にも十分対応が可能です。一撃必倒を求めるのは特化型と同じですが、連射ができるレピーターやオートを使用することで初弾を外す、半矢だった場合でも距離を放される前にダウンを取りに行く運用方法が可能です。しかし実際は1発しか撃てるチャンスがない事の方が多いので濃い杉山やシカが遠い時が多い単独忍び猟では2発目の重要性はそれほど高くないのかもしれません。
ショートスコープなので4倍~6倍が最大倍率になりがち、60mを超えるとヘッドやネックではなくバイタルや肩甲骨を狙う方が捕獲率は高いです。
単独忍び猟:汎用型の猟銃 レシーバーマウントにスコープをのせたスムースボアバレルのレピーター、オート ライフルドスラッグなのでランニングコストが安く、ギリギリ100mまで狙っていける。散弾も撃てるので鳥や小型獣にも対応可、00バックショットも使えるので絞りのキツいチョークと併用するれば70m程度までのシカの捕獲率はかなり高くなる。
カンチレバーマウントにスコープをのせたハーフライフルのレピーター、オート サボットスラッグなのでランニングコストは高いが100m以上のシカでも撃てる。鳥用散弾は撃とうと思えば撃てるが命中するかは運次第。ボルトアクションと違い2発目、3発目が素早く撃てるメリットがある。
単独忍び猟:汎用型の光学 ドットサイトのように運用ができる最低倍率True1xや1.25倍の30mmスコープ
1-4倍、1-6倍、1-8倍などのスコープでデフォルト倍率は最低倍率
さらに近距離に特化させるならばドットサイズ2MOA~3.5MOAのドットサイトもあり。

レシーバーマウントにスコープをのせたM870とカンチレバーマウントにスコープをのせたM1100
スポンサードリンク
内地単独忍び猟ハンターに人気なミロクMSS-20
ぼくも以前所持していたミロクMSS-20はどうして単独忍び猟を行う狩猟者に人気なのか?ざっと書き出してみました。
100m以内のシカを撃てる命中精度がある間伐地や牧草地を除く内地杉山の単独忍び猟でシカを狙う場合100m以内がほとんどなのでMSS-20xファクトリーライフルドスラッグで十分対応できます。
20番のライフルドスラッグは反動が軽く撃ちやすい銃自体がやや重いというのもありますが、20番のライフルドスラッグはサボットスラッグと比較しても若干反動が軽いです。反動が軽ければフリンチングが起こりにくいのでターゲットに命中させやすいですね。
ハーフライフルは弾が高いMSS-20が使用するのはサボットスラッグではなくライフルドスラッグです。1発の値段は高くても300円もしません。ファクトリーロードが安いので練習もたくさんできるのは魅力的です。
スムースボアボルトアクション銃はMSS-20しかない大昔の銃のカタログではMSS-20以外のスムースボアボルトアクション銃を見かけることができますが、現在は事実上MSS-20しかありません。ハーフライフルならターハント、A-bolt、サベージ、モスバーグなどありますが、スムースボアのボルトアクション銃はMSS-20以外見かけることはありません。「オフロードに強い普段使いもできる軽自動車といえばジムニー」のように「スムースボアで命中精度の高いボルトアクションスラッグガンといえばMSS-20」のような感じですね。
そういえば最近サベージM212ターキー/M220ターキーというスムースボア交換チョーク式ボルトアクション銃を売り出しました。もしこれが国内流通するのであればMSS-20一強ではなくなるかもしれませんね。
MSS-20が人気なのは安い鉛スラッグでたくさん練習ができ、実猟においても100m以内のシカを狙える命中精度がある。散弾も撃てるのでヤマドリにも対応できますし、技能講習もクレー射撃で受けることが可能です。一撃必倒を求める単独忍び猟の狩猟者やスラッグシューターに人気なのは納得ですね。
まぁそんなかんじ?
単独忍び猟では一撃必倒が基本ですが、それだけに全てを捧げるか、汎用性を取るか…。自分のいく猟場やスタイル、歩き方によってメリットデメリットがあります。何?「どっちがいいか迷っている」だって?スコープがのっているレピーターとボルトを1挺ずつもてば解決ですね!

「面白かった」「役に立った」 と思ったらポチリお願いします。モチべがアップします。
↓↓↓↓
にほんブログ村 ↑↑↑↑
コメントがあれば
Twitterにどうぞ
- 関連記事
-