モスバーグM500コンボ
ポンプアクション式ショットガンの代名詞
レミントンM870と双璧をなすモスバーグM500

早速射撃場で試し撃ちしてきたのでアップします。
まずはじめに
モスバーグM500コンボ「スムースボア」を購入しましたが…。
これは厳密に言うとスムースボアではありませんこちらのバレルは元々ライフリングが入った「ライフルボアバレル」です。
国内でライフリングを全て削り落としたモノです。モスバーグ純正スムースボアバレルではありません。
「ライフルボア」という表記があります。

バレルを覗くと
うっすらですがライフリングの跡が見て取れますね。
ライフリングを半分削った銃を「ハーフライフル」というなら
このバレルは全削りしてるので「
ゼロライフル」といったところでしょうか?
このブログではライフリングをすべて削り落としたバレルを
ゼロライフルバレルと呼ぶことにします。
外見、操作インプレ




セイフティ


M500のセイフティはレシーバー上部についています。
上下二連銃などによくあるタイプで親指で操作しますが、これは好みがわかれるところです。ぼくは大型化したM870のセイフティの方が操作性に優れ「セイフティ解除忘れ」も起こりにくくていいと思いました。
握り方や手のサイズにもよりますが、いつもの据銃をした状態からめいいっぱい親指を伸ばして解除できる感じです。A-boltやサベージよりも遠く感じますし、新銃なのもあって動きがシブいです。


サードパーティ製の指をかけやすいタイプに変更すれば操作性は向上すると思います。
アクションバーロック




アクションバーロック(フォアエンドのロックを解除するボタン)がM870とは違ってストックの付け根についています。これはM870と違ってグリップを握ったままでも操作できますが、親指を握りこんだ据銃状態で人差し指をトリガーガードの後ろに回してクイと持ち上げる作業が意外と難しく確実にアクションバーロックを押す為には一度グリップを握りかえるか、中指第二関節で持ち上げるように操作するとスムーズに操作ができます。
M870はトリガーガードのバレル側に大きくアクションバーロックが飛び出しているので厚い防寒手袋をしていても手のひらで覆うようにすれば確実な操作が行えます。M500でも手袋が厚くなったことで操作が難しくなるということはなさそうです。
アクションバーロックはしっかりと押し込まないと作動しません。ベネリノヴァの場合少し押し込むと作動してしまいボルトが半開きになってしまうことがありましたがM500ではそういった誤作動はないでしょう。
トリガー


アクションバーロックの位置からか構造上トリガーとても遠いです。ぼくは170cmくらいの身長ですが、普段使ってる銃よりもトリガーはかなり遠いので静的射撃には慣れが必要ですね。


モスバーグM500には「Youth 500」という女性子供向けのモデルがあってトリガーとグリップの距離が近くなっていますね
また12番モデルのみになりますがマグプルSGAストックもあります。
トリガーが遠くてどうしても使いにくいならストックを交換してみるのもありです。
トリガーのキレは思ったよりもいいですね。少なくとも手持ちのM870ノーマルトリガーやノヴァよりもずっとキレがあります。
レシーバー・ストック

レシーバー上部にはスコープマウントベース用のネジ穴があります。

アルミレシーバーですがネジが切ってある場所はM870や1187よりもずっと分厚いので多少重たい光学機でも載せられそうな印象です。ただノヴァやM2スラッグモデルのようにスチール製インサートは入っていないのでネジの締めすぎに注意が必要ですね。


ストックのチークパッドは交換が可能です。マグプルSGAストックやサベージターキーのストックのようにハメこんでバットプレートで挟むタイプではなく真上からボルトで取り付けます。高さは2段階 リブバレル用とカンチレバーマウント用の高さです。カンチレバーマウント自体が高いのでリングはローか低めのMEDがオススメです。

バットプレートは柔らかい素材でかなりリコイルを吸収してくれます。マグプルSGA標準よりも柔らかい印象です。
新銃なのでパーツの操作がシブいところですが、使ってるうちにすり合わせされていくでしょう。
チャンバーは2.75/3インチなので3.5インチチャンバーのノヴァと比較してストロークが短く操作しやすいですね。


ボルト閉鎖時のフォアエンド位置

ボルト開放時のフォアエンド位置


ローディングポートを半分程度覆っています。
M870のロングフォアエンドやノヴァはローディングポートを完全に覆ってしまうのでダブルフィードジャム(二重装填)等の給弾不良が発生した際に対処が難しいです。
マグプルMOEフォアエンドやタクティカル系フォアエンドの多くはレシーバーとツライチなので東洋人では短く感じてしまうこともあります。M500のフォアエンドは「長すぎず短すぎない」狩猟用としてはちょうどいい長さですね。
ボルト






ボルトはM870と違いダブルエキストラクターで信頼性は高く確実な排莢ができるでしょう。またサベージターキーのようにガチガチに硬くないのでマガジンチューブ内の弾が飛び出してこないように薬室の弾だけを抜き取る作業ができます。スラッグ⇔散弾の交換などはスムーズに行えるのはとてもいいですね。

M500のローディングゲートには一般的な単身自動/レピーターと違ってシェルキャリア(弾を押し上げるベロ)がありません。これは良し悪しありますね。M1100や一部の自動銃には「ボタンを押しながらじゃないとローディングゲートにアクセスができない」タイプもあります。それに比べれば「ゲートがないからアクセス性がいい」とも考えることはできます。しかしベネリノヴァ含め昨今の銃にはシェルキャリアをレールにして素早い装填ができるタイプもあります。
シェルキャリアがなく開口部が広い分ドロやゴミの侵入に弱い印象がありますね。

ただ
「シェルキャリアがないからシェルキャリアに手袋を嚙まれない」これはかなり大きいですね。厚手の防寒手袋をしていると弾を押し込んだ後閉まるシェルキャリアに親指のさきっちょを噛まれてしまうことが多いですが、M500はその心配がありません。寒冷地で狩猟をするならかなりありがたいですね。




ローディングゲートからマガジン内の弾を抜くことができます。M1100LT-20やベネリM2はマガジンから弾を抜く作業がシェルラッチが小さくて難しかったですが、M500のシェルラッチは大型で押しやすく、M870のようなクセがなくてとても使いやすいですね。グローブをしていても操作できます。
リミッター棒がガチャガチャ
マガジンチューブ内には装弾数を2発にする為に「リミッター棒」が入っていますが…
なぜ???どうして??? この棒
中でカチャカチャ動き回りますチューブマガジンのショットガンはいろいろ所持してきましったが、こんな仕様ははじめて…
最初は「これ中でリミッター棒が折れて2発以上装填されるようになってるんじゃ…」と焦って棒を突っ込みました。
なぜ?猟銃でカチャカチャ音がなるなんて…しかもこの音
バネの上を金属が滑る「ひっかく」ような音なんですよねめちゃくちゃ不快です。これだけでモスバーグM500コンボのレビュー星の三分の一を減らしてしまいます。
さらにM500のチューブマガジンは先端が"かしめて"あるようで銃砲店でも簡単に外すことができないそうです…。早急に対策が必要です。
自分で装弾数に関わる部品を交換すると武器等製造法違反になる可能性があります!チューブマガジン内の改造は銃砲店に委託しましょう!モスバーグM500「コンボ」
この銃には替え銃身がセットです。
24インチゼロライフルバレルと26インチ交換チョーク式リブバレルです。




ホワイトドットの照星と中間照星のバレルは視認性が高くクレー射撃や鳥撃ちでの使い勝手はとてもいいでしょう。交換チョーク式でチョークも付属しています。付属のチョークは
・スキート
・インプシリンダー
・モデ
・フル
この4種類です。スラッグが撃てるのはスキートチョークとインプシリンダーチョーク、モデとフルも少し広めの池でのカモ撃ちやバックショットが使えるので使用できる幅が広がりますね。

カンチレバーマウントはスチール製でバレルに溶接してあります。比較的剛性は高めですが、極端に重たいスコープはやめておいた方がいいでしょう。

カンチレバーマウントはウィーバー規格なのでピカティニー規格のスコープリングを取り付けることができません。
VORTEX PMR や BurrisFF3標準マウントのようなガチガチピカティニー規格のリングは使用できないので注意
Leupold QRW/PRW や VORTEX PROシリーズが使用できます。

バレルにマガジンキャップ(パーツリスト4のテイクダウンスクリュー)がついています。マガジンキャップ無くすことがないというメリットがありますが、国内では「分解保管」する必要があるので「マガジンキャップだけ外して別保管」ができません。なのでレシーバーを分解してボルトやトリガーアッシーを止めているピンを別保管する必要がありますね。
一応マガジンキャップは内側にあるタイヤのホイールカバーのような部品を外せばマガジンキャップをバレルから取り外せます。取り外す時は細い棒を突っ込んでネジを回転させれば簡単に外せます。



チューブマガジンのリテーナーにはネジが切ってあります。マガジンキャップを回すとグリグリと中に入っていって固定される構造です。多くの単身自動/レピーターであるようにマガジンチューブにバレルガイドリングを通してキャップでロックする構造ではありません。M500の取り付け方法は「再現性」が高い印象ですね。なのでレシーバーにスコープを載せても高い命中精度が期待できますし、レシーバーとバレルのガタツキは少ない印象です。スラッグを撃つにはかなりいいですね。
薄いゼロライフルバレル
ゼロライフルバレルよりもリブバレルの方が分厚くて重たいです。もちろん交換チョーク式なのでその分の厚みはあるんでしょうが、スラッグ用バレル…もともとフルライフルのバレルがこんなに薄くていいのか疑問が残りますし、さらにライフリングがなくなるまで内側をくり抜いている…。 
ノギスで太さを図りましたが基本的に太さは同じでした。リブの重さ、交換チョーク部分の膨らみで重さの差があるだけのようです。
レミントン純正ハーフライフルバレルやモスバーグ製M870用ハーフライフルバレルはかなり重量があります。ハスティングス製は薄く「銅サボット」に対応していません。今回の「コンボ」のバレルって銅サボットに対応してるんでしょうかね?情報あさってみます。
実射
さて気になる実射です。
スムーズボアのメリットは散弾が撃てること鉛のライフルドスラッグがサボットスラッグと比較して安価であることがあります。その為
「ハーフライフルのライフリング削ってすっぽんぽんにすればいいんじゃね?」という発想に至ったシューターはいたと思います。
ただどう考えても内径が大きくなりすぎて命中精度が悪くなるんじゃ…という気持ちで手を出した人はほとんどいなかったであろう
未知の領域 今回カンチレバーのゼロライフルバレルにはサイトロン製の安価なスコープを使用しました…。これは完全にぼくのミスだったんですが明らかにグルーピングが悪かった「やっぱりゼロライフルなんだ…」と落胆していましたが、「このスコープが壊れてるかもしれない」という可能性があったので別のスコープに載せ替えました。
その結果スコープが死んでました(撃つたびに着弾がズレる)
というわけで途中で弾切れになりしっかりした検証ができませんでした…また再度チャレンジします。
今回使用したライフルドスラッグは3種類
・レッドバードコンペティションロード
・レッドバードフィールドロード
・ロットウェルブリネッキいつものメンツですね!
まず最も命中精度が高かったのがこちら
レッドバードコンペティション
50mレストシューティング
レッドバードコンペティション
100mレストシューティング
弾が切れてまともに撃てたのはこれだけなのでもう少し撃ち込んでみないとハッキリしたグルーピングはわかりませんね
レッドバードフィールドは50mではそこそこの成績でしたが、100mでは火縄銃状態だったので使えません。
ブリネッキは50mでもダメダメ
実は今回最も期待していたのはレッドバードコンペティションロードでした。
レッドバードコンペはフォスター弾頭で激発直後に弾頭後方が僅かに広がりバレルに密着して命中精度を上げる構造になっているようです。それなら内径が広がってしまったゼロライフルバレルでも多少良くなるのでは?と考えていました。
もう少し撃ち込まないとハッキリした結論は出せませんが、今日の成績だけで言えば
ゼロライフルバレルでも100mでギリギリシカは撃てる命中精度はあるただ…完全に腕の問題なのか、それともゼロライフルバレルの構造上の仕様なのかはまだわかりませんが、明後日の場所に着弾すうる「フライヤー」がちょっと多かった印象です。M500はトリガーがグリップからとても遠いので正直撃ちやすくはありませんでした。なので飛ばす確率が高かったのかもしれませんし、ゼロライフルバレル自体にフライヤーが発生しやすい原因があるのかもしれません。しかし今回は6倍スコープだったのでもう少し倍率の高いスコープで撃てばもうすこし纏まると思います。
情報量がとても多いので今回はここまで!!!!!
もっと詳しいレビューは今度アップしますね!!!
追記:20210728
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50メートルレストシューティングの結果です。左右ではある程度まとまるのですが、上下の振れ幅がとても大きかったです。これを命中精度が高いと捉えるか低いと捉えるかはお任せしますが、ぼくが所持してる銃の中では命中精度はかなり低い部類になります。
また念のためレシーバーに直接マウントベースをネジで取り付けてスコープを載せ同じように撃ちました。
使用したチョークはインプシリンダーとスキートチョークで弾の条件は同じ3種類、合計6通りの組み合わせでチェックしましたが、どういう訳かかなり命中精度が低く、カンチレバー付きバレルよりも結果が悪かったです。
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