犬無し単独忍び猟について その4

犬無し単独忍び猟をしているハンターでも目標にしている人は多いでしょう。

犬無し単独忍び猟でイノシシを撃つ

結論から言いますと 9割運です!

というのもぼくはイノシシを狙って獲ったことは一度もありません。イノシシが獲れるといいなと思いながら歩いていて偶然イノシシに会って獲れたことしかありません。イノシシは昼間寝ているのが当たり前のようで、シカのように昼間に移動しているところをほとんど見ません。今回は「犬無し単独忍び猟でイノシシを撃つ」について触れてみました。




>>狙って獲るというのは?

狙って獲るというのは理論が整っていて、ある一定の確率で捕獲ができるということであり、偶然運が良くて獲れるのとは違います。ニホンジカの場合はある程度理論が整っています。新しい猟場を探すにあたって考慮するポイント、シカの多そうな山を見つけた場合の歩き方、出会いやすい場所を見つけて時間帯を絞り込んでいけば棒立ちしているシカにそれなりの確立で出会うことができます。 ヒヨドリなら集まりやすい木、カモなら池や沼、川…と狙って獲りにいくことができます。

犬無し単独忍び猟でイノシシを、ある理論のもと一定の確率で捕獲する
つまり狙って獲るには達人級の技術と経験が必要といっても過言ではないでしょう。


>>そもそも日中イノシシに会える回数が少ない
H28年度に獲ったイノシシは3頭、H29年度に獲ったイノシシも3頭です。
H29年度に山でイノシシと出会えた回数は捕獲できた数も含めて5回しかありません。シカの場合、逃げていく白いオシリを含めれば見ないことの方が少ないくらいで6~8割以上の確立で目撃することができます。イノシシの場合は目撃すらほとんどできないので統計的にデータを取ることが難しいです。H28~H29年度に出会えたイノシシはすべて違う場所で出会い、捕獲できた場所もまた違います。シカの場合は「ここは良くとれるな」と思えるポイントはいくつもあるのですが…。


H28年度のデータ

1回目 草のほとんど生えていない落葉樹が点々と生える急斜面でゆっくり移動するイノシシを捕獲(無警戒)
時間帯:早朝 日の出直後

2回目 尾根から見下ろした草の生えていない急斜面にて5~6頭の群れでいるイノシシを捕獲(無警戒)
時間帯:早朝 日の出直後

3回目 杉山とわずかに低い常葉樹の生える緩やかな斜面を移動しているイノシシを捕獲(無警戒)
時間帯;日中 11時頃



H29年度のデータ
1回目 谷を下り、小さな沢を横断して草のほぼ生えていない斜面を登っているイノシシを捕獲(無警戒?移動中)
時間帯:日中 14時頃

2回目 古い土砂崩れの後、古くコケの生した杉が倒れている中に低木が点々と生える見通しのいい斜面にて遭遇(無警戒)
時間帯:日中 12時頃

3回目 杉と低い常葉樹が入り乱れる草の生えていない緩やかな斜面に遭遇(走られた瞬間に気付いて発砲)
時間帯:日没前 16時頃

4回目 カヤの生える緩やかな斜面を移動中の2頭のイノシシを捕獲(無警戒)
時間帯:午前中 8時頃

5回目 見通しの良い渓流の川辺で地面をあさっているイノシシを発見(無警戒)
時間帯:日没前 16時頃


すべて違うロケーションです。若干早朝や日没前の方が捕獲率は高い気がしますが、日中快晴の日にも捕獲はできていますね。特にH29年度の5回目は「まさかこんな所にいるなんて!」と驚きました。犬無し単独忍び猟でイノシシを捕獲することは不可能ではないですが、「確立した理論があり、根拠のもと狙いをイノシシに定めて一定の確率で捕獲する」というのは現状ぼくの実力では不可能です。




>>どうすれば単独忍び猟でイノシシを"狙って獲れる"のか?

これは恐らくですが、答えはひとつしかありません。
兎に角山に行くことです!! 仮説を立てて山に行き検証を繰り返し行い、理論を導き出す意外にありません。単独忍び猟でイノシシを撃つにあたりぼくなりの考えていることをいくつか紹介します。


■忍び猟に理想的な猟場とイノシシが好むロケーションは間逆である
ぼくも一応とあるハンターグループに所属はしています。仲が悪いと言うわけではありませんがユーレイ部員です。これは少し前に犬を使ってイノシシを撃つメンバーと話をした時の無いようです。

Iさん「リロくん ○○町には今年もいくんでしょ?」
リロ 「行きますよー」
Iさん「イノシシいそうなところ探しておいてよ」
Iさん「そうだね 寝ている痕跡が多いヤブ、竹ヤブなんかがいいかなー」

リロ 「え?ヤブがいいんですか?」
ヤブというのは単独忍び猟では避けて通りたいロケーションです。なぜなら移動する際に大きな音がしますし、閉鎖的で視界も狭く十中八九移動中に気取られてしまうので逃げられる前にシカやイノシシを見つけて撃つことが困難であるからです。

Iさん「ヤブの方が犬を使ってイノシシを狩るには都合がいいことが多いんだよね」
Iさん「ヤブだとイノシシも全力で走って逃げないから犬が止めやすかったりねー」
リロ 「了解です。(うーん…ヤブがあったらそもそも山に入らないからなぁ…一応痕跡が多いところは報告しておくか)」


これを話していて思いだしたことがあります。ハンターに剣ナタは必要か?不要か?という話です。ぼくは剣ナタは携行していません。藪を剣ナタを振り回して移動することもなければ、罠に掛かっていたり、犬が止めているイノシシに突き立てることもないからですね。それを行なわなければただ重く、ただ長い邪魔なナイフに過ぎません。しかしそれは単独忍び猟に限った話です。犬とイノシシが格闘中、急いで向かわなければいけないのに悠長に剪定バサミでツタを切って移動するなんてナンセンスなのはわかります。剣ナタを振り回して道を切り開き急いで止めに行く必要があるでしょう。藪をはらうマシェットとして、心臓に突き立てるトドメを刺すナイフとして、犬を使った猟をするハンターにとっては不可欠なものでしょうね。ぼくは藪をどうしても通る必要がある場合は剪定バサミを使用します。枝を落としながらゆっくり静かに移動することができ、体力も使わないからです。

イノシシが寝ていた痕跡、寝る場所…いわゆる「寝屋」があるのも藪の方が多いらしいです。藪というのは犬を使って猟を行いやすいロケーションの一つなのでしょう。しかし、藪というのは犬無し単独忍び猟をするぼくからすれば猟場選定の候補にすら入りません。犬無し単独忍び猟は基本的に無警戒でエサを食べたり、ぼーっと棒立ちしているケモノを撃つものです。「視界の開けた山を3歩移動しては立ち止り、双眼鏡であたりを確認する」が基本的な動き方で尾根や岩陰など自然にある死角を応用してコッソリとケモノとの距離を詰め、静かにゆっくり移動して遠くにいるケモノが気付く前に撃つのが犬無し単独忍び猟であると思っています。「藪」なんてものは視界は狭ければ、移動も大変で、ガサガサと大きな音がたつものです。そんなロケーションで「無警戒でぼーっとしているケモノに有効射程まで近づいて撃つ」なんて難しいと考えています。なので「藪」が多い山は最初の猟場選定の時点で候補にも入りません。

単独忍び猟に理想的な猟場とイノシシが好むロケーションは間逆である…ということですね。



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草も少なく、急斜面や尾根が多い山は犬無し単独忍び猟でシカを撃つには理想的ロケーションです。しかし、イノシシの寝屋としては人気はないようですね。





■イノシシの絶対数が多くて忍び猟ができそうな山を探す

シカにも絶対数が多い山とそうでない山があります。いたるところにフンや寝屋の痕跡がありあたりは足跡だらけの山もあれば、たまにフンが落ちている程度の山もあります。「痕跡が多い山=シカ絶対数が多い=出会える確立が高い」ということですね。ただでさえ昼間に行動しているイノシシが少ないなら「イノシシの絶対数が多い=痕跡が多い山」である必要があります。

山といっても闇雲に入るわけにはいきません。ある程度イノシシやシカがいそうな山の目星をつける必要があります。ぼくは目星がつけるときに使用しているのは「グーグルアースストリートビュー」です。ストリートビューで見るのは山ではなく畑です。畑には農家が大切に育てている農作物がありますね。イノシシというのは害獣で、夜中にやってきては畑の農作物を食い荒らしていきます。生活が掛かっている農家が対策を取らないわけがありません。電気柵が畑には張り巡らされ、防獣ネットやフェンスが森を囲っているところもあります。イノシシやシカがいないのにそんなところにお金を掛ける人はいません。電気柵や防獣ネットがあるということはイノシシやシカがいるということです。あとは実際に山に行ってイノシシの痕跡の密度や視界や地形を確認して犬無し単独忍び猟ができそうかどうかを調査する必要があります。前述の通り、犬無し単独忍び猟を閉鎖的な藪で気取られる前に撃つのは難しいでしょう(過去に何度か撃ちましたがただのラッキーです。) 距離を歩けば必然移動する音も大きくなります。目撃は出来ても発砲にいたるまでの時間を確保することは厳しい場合が多くなると思います。ヤブは閉鎖的で視界も悪く、障害物も多くなるのも難易度を上げているのかもしれません。かといって慎重にヤブを移動すればあまり広い範囲をチェックできないでしょう。



>>イノシシを単独忍び猟で狙って撃つなら…。
「イノシシの痕跡が多い藪や原野などと視界の開けた杉山が隣接している山に日の出前から入り、日没まで山を探しまくる」と言うのが今のぼくの結論です。これが犬無し単独忍び猟でイノシシを狙って撃つのに必要なロケーションと条件ではないかと仮説を立てています。まぁ…そういうところはなかなかないんですがね…w 食害の被害が多そうな畑が近くにあればさらに好条件ではないでしょうか。


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はじめてイノシシを撃ったのは2年目の11月のこと…。こんな開けた原野を歩いていて偶然、無警戒のイノシシを発見して撃ちました。この原野では…5頭捕獲、目撃したのは+4~5回といったところです。



■足跡を追う技術について
1つのイノシシの足をトラッキングして無警戒のイノシシが撃てればそれが理想でしょうが…。それこそ達人級のスキルが必要かと思います。半矢でたった今残されていったシカやイノシシの痕跡も追えずに逃がしてしまうようではまだまだですね。血がポタポタと垂れていても見失ってしまうものです。何百メートルでも1キロ2キロでも半矢になったケモノを負って仕留められるスキルを習得することが前提条件でしょう。残念ながらぼくにはそのスキルはありません。「おっ…このアシはかなり新しそうだぞ…?ちょっと慎重に移動してみるか…!ラッキーいたー!!」のレベルです。 ラッキーなんです。 スキルと胸をはって呼べるほどのものではありません。これを習得するにはグループ猟に携わり、イノシシの足跡を見慣れ、トラッキングスキルを上げる必要があるでしょう。犬とイノシシを追いかけ仕留める経験をたくさん積むのが近道ではないでしょうか? しかしそうなってしまった場合ですよ?グループ猟や単犬単独猟でコンスタントに成果が上げられるハンターになってからわざわざ「犬無し単独忍び猟でイノシシを撃ちたい」と思うハンターがいるでしょうか? ぼくはそんなことはしないでしょうね。




■イノシシとの出会いに全てを捧げるか?
棒立ちのシカにも目もくれず、ヤマドリを無視して、イノシシとの出会いだけに賭けて山に入るのもひとつの手ではあるでしょう。ただシカでもイノシシでも、フィールドでケモノを撃つ経験は大切です。 射撃場でターゲットと撃つこととは違います、より悪条件で、やっと出会えたイノシシを目の前にして高鳴る心臓を押さえ込み、落ち着いていつもマトを撃つようにトリガーを絞るメンタルはたくさんのシカやイノシシを撃たなければ身につかないスキルです。いざイノシシに出会えたときにいつも通りトリガーを絞るには普段からシカを撃ち、条件の悪いロケーションでいつもシカを撃つようにイノシシを撃つスキルが必要だとぼくは考えています。その経験が浅いとぼくのようにイノシシに興奮してガク引きになり、折角のチャンスを逃すのです。メンタルは数をこなさなければどうにもなりません。

最初に犬無し単独忍び猟でイノシシを獲るのは9割運と言いました。

残りの1割はこの「メンタル」だと思っています。


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※ブログ内で使用している銃の写真は全て脱包し、安全に配慮して撮影しています。ボルトが閉鎖されている写真にも実包は装填されていません。
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