【装備考察】狩猟用ベスト・ベルトについて

狩猟で使えるベスト・チェストリグ・ベルトについて
参考:ベスト・ベルトについて(ハンター1年生からの軌跡です)



ハンティング用としての機能を持つオレンジベスト、MOLLEベストというのは妙に高かったり、意外と選択肢が少なかったりします。
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写真左:タクティカルテイラー  写真右:デューティーアパレル

以前私が使用していた「タクティカルテイラー製 アジャスタブルベスト ブレイズオレンジ」ですが、使い勝手は悪くありませんでしたが、やはりいろいろ改善していくにあたり不満点があり手放してしまいました。




■別にベストがオレンジじゃなくてもいい
現状ぼくの中で使いやすいと思っているのはオレンジジャケット+好きなベストやチェストリグです。オレンジベストの種類は少ないですが、オレンジじゃないベストは多種多様なものが存在するので自分好みの形や色、使いやすいデザインと出会いやすいですね。なのでオレンジベストに特にこだわりがなければジャケットをオレンジにする事をオススメします。






■視認性が高いのはオレンジジャケット
特に袖がオレンジというのは強いですね。オレンジのMOLLEベストも全く同じ率の視認性を確保する為にはオレンジのポーチを選び、オレンジのバックパックを背負う必要があるでしょう。オレンジのMOLLEポーチも種類が少ないので選択肢は多くありません。オレンジジャケットの場合はベストもバックパックも地味な色であったとしてもどの角度からでも常に袖は視認できますし、腕は単純に胴体より動くので視認性は高めです。


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背中から、バックパックがオレンジでなければあんまり目立ちません。


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カモフラチェストリグ、バックパックを背負っていてもジャケットがオレンジなら視認性はかなり高いです。


【カモフラジャケット+オレンジベスト】
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オレンジは確認できますが、ポーチがタンカラーなのでオレンジの面積は狭いです。
真横を向いた場合は袖でベストは隠れてしまいます。


【オレンジジャケット+カモフラチェストリグ】
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マルチカムのチェストリグにリアルツリーのバックパックを背負っていますが視認性はこちらの方が高いです。



■ハンティングジャケットという選択
ブレイズオレンジカラーのハンティングジャケットはいろんなメーカーが出しています。オレンジカモにこだわりがなければモンベルでもオレンジカラーの機能的なマウンテンジャケットを販売しています。



■ベルト
ここで言うベルトはジャケットやベストの上から装備するベルトです。
ハンティングの場合はベルトループに通す、もしくはズボンの上から(ベストやジャケットの下)の装備だとベストやジャケットをめくりあげる必要がある為、ワンアクション動作が遅れますし、シルエットが大きく動くので正直あまりオススメはしません。タクティカルなシーンでもジャケットの下などに装備するのは武器を隠して持ち歩く為(コンシールドキャリー)であって、スピードや使いやすさが優先されている装備ではありません。



【アリスベルト】


アリスクリップ付きポーチでないとポーチがスルスルとベルト上を移動してしまうので注意です。

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以前も紹介しましたが、MOLLE用ポーチをアリスベルトで使用したい場合はこのようにパラコードをベルトの穴に通すことでポーチがズレなくなります。ただ重量物を下げて激しく動くと腰の周りをグルグルベルトごと動いてしまうことがあります。気がついたらバックルが太ももの上に移動していたなんてこともあります。アリスベルト用サスペンダーを併用することでズレにくくなりますね。アリスベルトは固いベルトなので長時間使用すると擦れて痛くなることもあります。


【MOLLEベルト】


好きなところにポーチを取り付けることができるベルトです。アリスベルトとは違って分厚いものが多いですね。こちらは安価なものから高価なものまでピンキリです。
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現在使用しているのは『HSGI製スリムグリップ』というMOLLEベルトパッドです。ベルトは頑丈で付け外しが楽なコブラバックル式リガーベルトを通しています。

MOLLEスペースの広いHSGI シュアグリップ






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スリムグリップは内側にはネオプレンの滑り止め加工が施されています。この滑り止めのおかげで重量物を下げてもベルトがズレにくく腰にガッツリ食い込んでくれます。クッション性もあり長時間つけていても痛くならないのもグッドですね。スリムグリップに限らずクッション性のあるMOLLEベルトの方がつけていて楽に感じました。

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直接ズボンの上に装備する場合は丈の短いベストと組み合わせると使いやすいですね。





■ベスト・チェストリグ

【タクティカルベスト・チェストリグ】





まずは↑の写真のようなポーチやホルダーが固定されているベストやチェストリグについてです。タクティカル向けのベストやチェストリグにはV1ベストのようなピストルホルスターが付いているものや大容量マガジンを3~8本携行する為のポーチが固定されているものが多く、正直ハンティングへの応用が難しいものが多い印象です。またタクティカル向けはナイロンに頑丈さ耐久性を求めるが故か、肩への負担を減らす為か肩付する部分が分厚いものが多く、据銃する右胸あたりにもポーチやDリングが固定されているモデルも多いですね。これは基本的にM4等のアサルトライフルというものがアジャスタブルストックの銃が多く体系や装備にあわせてストックの長さを調整することができる為どんなに分厚くてゴテゴテついていても問題はないのです。しかし、日本の猟銃はそのほとんどが長さが固定されたストックで夏場や射撃場で最適な長さにしているとこのような分厚い装備を身につけた場合体感的にストックが長くなりトリガーまでの距離が遠くなってしまいます。スコープ等を取り付けた銃の場合はアイレリーフが合わず非常に使いにくくなりますね。タクティカルベストやチェストリグを運用する場合は自分にあっているであろうモノをいくつも購入し運用してピッタリのモノを見つけ出す必要があるでしょう。







【MOLLEベスト・MOLLEチェストリグ】


こちらもタクティカル向けですが、MOLLEは自分の好みに合わせてポーチやホルダーを配置できるので自分が求める装備を組めるのがグッドですね。ただ上記の通り分厚いナイロンのモノが多いので注意が必要です。選ぶポイントとしては最低でもこの2つくらいは抑えておきたいところですね。

・肩付けを妨げるものが少なくフラット
・肩付けする部分が分厚くない


そして可能ならもう一つ
・着脱が楽である
これにはメリットデメリットがあります。冬場は基本的に厚着している場合が多く身動きが取りにくいです。頭からスッポリ被ろうとしてもなかなか上手くできず、ストラップがねじれたりといろいろ不便に感じました。正面がバックルやファスナーになっているとベストを羽織るように装備できるので着脱が非常に楽ですがその反面、ファスナーやバックルに正面のスペースが取られてしまうのでポーチ等を配置できるスペースが狭くなってしまいます。

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現在使用しているファーストスピア製モジュラーチェストリグは肩のストラップがナイロン布1枚なのでフラットで薄くスムーズに据銃することができます。ぼくは右肩のカラビナやハイドレーションホースを通すループ(?)が邪魔だったのでそれも切り落として完全にフラットにしています。

スプリットフロントは絶版なのでしょうか?見当たりません。
フラットで軽量なチェストリグは同社からこのようなモノも出ていますね。







■運用しないとわからない

装備というのはお家で着るだけでは何にもわかりません。実際に山に行って運用してこそ良し悪しがわかります。ただお金を掛けて「金の無駄になった」というのもアレなので、ぼくなりに使いやすい装備を組むコツを書き出してみました。


・優先順位が高いモノだけをベストに、低いものはバックパックに
ゴテゴテなんでも外につけても身動きが取りにくくなるだけです。戦争ではないので1度に50発なんて撃つことはありません。雨やドロによる汚れを考えるなら弾でも余分な分はバックにいれておくといいでしょう。ナイフも全部ぶら下げるのではなくサっと使いたいものを1本だけ外に出しておけば十分ではないでしょうか。


・アジャスタブルベルト(ストラップ)はまとめて縛る
ベストには左右にサイズ調整ができるものがありますが、その余ったベルトを垂らしているといろんなところに引っかかります。スリング、ボルトアクション銃のボルトハンドル、レピーターのフォアエンド一度だけですが、トリガーガードの中に入り込んでいたこともありました。サイズを頻繁に変えないのであればインシュロックやウェブドミネーターを使い余ったベルトを固定すると使いやすくなります。アジャスタブルベルトに限らずヒモ、ストラップ等長く延びて垂れるものは極力減らしたほうがいいですね。

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ウェブドミネーターは余って垂れているストラップを簡単にまとめることができる便利グッズです。




・銃を掛ける肩側にポーチをつけない
ぼくの場合は左肩に銃を掛けますが、この時に左の腰やわき腹にポーチをつけているとゴツゴツあたって安定しません。
Dc2LCp1VwAA8slP.jpg左スペースを有効に活用したい場合は↑のアドミンポーチのような薄くてフラットなものを取り付けるといいでしょうね。





・片付けするところはフラットに
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ポーチやDリングは据銃の妨げになりやすいですね。可能ならMOLLEであっても切り落としてフラットにすると使い勝手はかなり向上します。サッと据銃したい場面で何かに引っかかって逃がすのは悔しいですからね。



・使用頻度が高いモノ、紛失したくないモノには工夫をする。
オススメしないのはGPSガジェット等の使用頻度の高いモノをファスナーで閉じるポーチにゴロンと入れることですね。ファスナーは紛失率は低いですが、厄介なのは閉め忘れです。ちょっとしたことで閉め忘れていて次に使おうと思ったときになくなっている…。なんて最悪ですね。



・使用頻度が高いモノはファスナー式ポーチに入れない
いちいち開けて閉めるのはなかなか面倒なところがあります。使用頻度が高いモノは開け閉めが楽で最悪閉め忘れても勝手に閉じるベルクロフラップ式がオススメです。使用頻度が低く、落としたくないものはファスナー式ポーチがオススメです。




・スムーズなファスナーのポーチを選ぶ
安物のMOLLEポーチには絶望的にファスナーが硬いモノや引っかかって閉めにくいモノ、内側の布地を食い込みやすいモノなどがあります。こればかりは実際に手にとって触ってみるしかないかもしれません…。理想は片手でもスムーズに開け閉めができるものですね。さらにダブルファスナーなら左右を真上に持ち上げるだけなので片手でも簡単に扱えます。
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グレゴリーのポーチをスマホ用として長く愛用していますが、ファスナーがとてもスムーズでストレスがありません。かなりオススメですね。登山用品専門店にいくと色んなメーカーのポーチを触れます。気に入ったものが見つかるといいですね。




・ポーチと入れるモノのサイズは合わせる
サッと取り出して、サッと戻せるのに理想的なのはポーチと入れるモノのサイズがほとんど同じなことでしょう。ギチギチだと無理やり押し込む必要がありますし、逆に大きなフラップ式ポーチに小さなモノを入れるともしかしたら隙間からポロリしてしまうかもしれません。装備を手に持って振り回してもポロリがないようにすると紛失率は低いですね。



・1つのポーチには基本的に1種類のモノだけを入れる
大きなポーチにゴロゴロとモノをいれると何が入っているのか把握が難しいです。入っているのか入っていないのか外から触ってもわかるくらいが運用しやすく、ポーチに目線を落とすことなく取り出すこともできます。焦った時のドラえもんのように「コレじゃない!アレでもない!」とやっていては取り出しやすい位置でもアクセスが悪いのと同じことです。



・見えないところはアクセスが難しい

背中は真後ろなので全く見えません。、腰まわりは左右までしか確認ができません。例えば真後ろにファスナー式ポーチを取り付けたりするのはオススメしなかったりします。ファスナーをあけるにも一苦労、閉めるにも苦労!見えないところに装着するのは手触りだけで取り出せてスッと戻せるもの、もしくはダンプポーチのようなただ突っ込むだけのポーチがオススメです。


・見えないところは紛失に気付きにくい
ナイフをベルトの右後ろや左後ろに装備している人が多いですね。その中でも経験がある人は多いのではないでしょうか「いつのまにか抜け落ちて無くなっていた」なんてこと…。特に剣ナタのような木製シースはホックが外れてしまうと四つんばいで移動したり、急斜面を下る際に割りと簡単に抜け落ちてしまうことがありますね。ぼくはあまり長いナイフは持ち歩かないので目に見えるところに取り付けています。右の腰だったり、胸の辺りにつけたりとかですね。常に目に見えるところにあると紛失にも早く気がつきます。紛失したくないならランヤードを取り付ける、パンケーキホルスター等のひっくり返して振り回しても抜けないシースといった工夫が欲しいところです。使用頻度が高いモノ、失くしたくないモノは目に見える位置にあるといいかと思います。


・バランス取る
ベストの場合は左右のバランスを取ると良い場合もあります。片方だけに弾や水筒をつけると疲れやすいので、左右の重さをできるだけ均等にすると良いでしょう。



・弾帯シェルホルダーについて
参考:弾帯、シェルホルダーを装填用と携行用で別ける



■併用もあり
どうしてもすぐにアクセスしたいモノが多かったりするならば併用するのもありです。ベルト+ベストやベルト+チェストリグ等ですが、ベルトやベスト自体の重量が増えるのでどうしても必要な場合が良いでしょう。




■まとめ

ベスト、チェストリグ、ベルトは装備を携行する為というよりも、装備へのアクセス性を向上させる為と考えるといいかと思います。ベストやチェストリグにつけているモノが「取り出しにくいな」「使いにくい」「開け閉めが面倒」「前に落としたしな」などなど1つでも不満点が上がれば改善しましょう。また無理にゴテゴテつけるよりも必要な分だけをつけて残りはバックパックに、不要なら持っていかないことです。この優先順位はスタイルや各々の考え方によって変わります。自分なりの使いやすい装備を組むこともまたハンティングの楽しみですね。そしてこれを言ってはおしまいですが、不便もまた楽しむ要素です!格好や装備にロマンを求めるのはいいものですね!



ちょっと補足:ぼくの住んでいる地域は北海道や東北日本海側のような厳寒地ではないので、ハンティング用ジャケットを気軽に運用できます。そういった厳寒地では防寒着も分厚くなると思いますので、サイズの大きいRYKベストを装備の上から羽織るというのも手段の一つかと思いました。




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