まず最初にお断りさせていただきますと、
スマホのGPSアプリを批判する記事ではありませんし「使えない!」と切り捨てる内容でもありません。GPSアプリはかなり使えます。レスポンスも良く見やすくて便利です。
問題はソフトではなくハード
ぼくはスマホを所持し始めたのは大学生の頃でした。当時使用していたのはiPhone4s それから5、5S、8、Xを使用しています。事が起こったのは5Sの頃です。狩猟中、バッテリーの残量は60%程残っていましたが突然電源が落ちたのです。それからと言うもの何度も同じ現象に悩まされていました。その現象が起こるのは決まって日中氷点下を下回る寒い日だったのです。
iPhoneは氷点下での使用に適していない
iPhoneの許容可能動作温度についてはググったらすぐに出てきました。
その温度
"0℃~35℃"さらにこう書かれていました。
『動作温度を下回る極端な低温下で iOS デバイスを使うと、バッテリーの消耗が早くなったりデバイスの電源が切れたりすることがあります。』
ぼくが住んでいる地域は冬の間日中最高気温が氷点下のことってあまりないですが、北の方にいけば普通に日中最高気温が氷点下の日ってありますよね。
例:iPhoneのGPSアプリを使用し冬山単独行動をしていた場合
7:00今日は待ちに待ったハンティング!先週見つけた新しい猟場に到着しました。
12:00快晴ながら日中は氷点下を下回っています。朝からキレイな写真を何枚か撮影。予めローカルにダウンロードしていたGPSアプリでポイントを登録しながら山で移動していきます。
13:00シカを発見し発砲するも半矢で逃げられてしまいます。足跡や血のりを追いかけて尾根を1つ、また1つ超えていきます。雪がちらつき始めました
14:00谷の沢近くに座り込んでいる手負いのシカを仕留めました。処理を開始します。
16:00処理を完了しました。日没まであと約2時間。吹雪いてはいませんが、降雪が多くなってきました。
iPhoneの画面をつけます。バッテリー残量は60%
GPSアプリと立ち上げて現在地とルートを確認しようとすると…。
ボツッ…画面が暗くなり
ビジーカーソルがクルクルと回りはじめ
iPhoneの電源が切れてしまいます。
状況を整理します。

・ここは歩きなれていない新しく開拓した猟場
・半矢のシカを必死に追いかけて尾根を2つ以上超えてきている
・今いるのは尾根と尾根の間を流れる小さな沢の側
・降雪が強くなり自分が歩いてきた足跡や痕跡はほとんど消えてしまった
・足跡や血のりばかりに集中して風景をほとんど覚えていない
・ぐるぐると山を回っていただけなので車までの直線距離はそう遠くないように感じている
・日没までは約2時間
・頼りにしていたiPhoneは電源が入らない
・何となく「あのあたりだろう」…くらいで正確な現在地不明
ぼくだったら中々肝が冷える状況です。「そんなに山奥まで行っていないはず」という認識はあるのでGPSアプリがあれば日没まで余裕を持って車まで戻れますが、その頼みの綱が今完全に沈黙しています。尾根をいくつも超えたり、降りる方向を間違えてしまうとホントにわけわからなくなることあるんですよね。ぼくは以前iPhoneが何度も冬山で使えなくなったので上記のような状況に陥らない為にiPhoneのGPSアプリをメインで使うことはありませんでした。GPSガジェットから得られる情報以外に得たい情報がある時だけ使う程度です。最悪GPSガジェットも使用できなくなった時の為にコンパスは必ず携行しています。新しい猟場を開拓する時は猟場周辺の地図やグーグルアースを確認して大きな目印や道路、川等の方角さえわかれば辿り着けるポイントを把握した上で山に入るようにしています。
iPhoneは信頼しちゃダメ
iPhone以外のスマホがどれだけ寒さに強いのかは知りませんが、iPhoneのGPSアプリオンリーで知らない冬山に入ってる人に伝えます。
iPhoneは信頼しちゃダメです。こんなことにならないように使い慣れたGPSガジェットやコンパスを携行し、事前に現地の情報収集は怠らないようにしましょう。
じゃあ何ならいいの?
北海道や東北日本海側のような厳寒地はどうかしりませんが、ミ
ル規格 MIL-STD-810G をクリアしているガジェットなら信頼しても良いのではないでしょうか。この規格をパスする試験の1つに -20℃~ 60℃ の温度環境で4時間正常に動作しなければならないというものがあります。これなら -0℃ ~ -10℃ 程度問題なく使用できるでしょう。少なくともiPhoneよりずっとマシです。ぼくはForetrex301(ミル規格はパスしていない)をアウタージャケットに巻き付けて使用していますが、今のところ電源が落ちたりしたことはありません。ツイッターで流れていましたが、
厳寒地ならアウターの外ではなく腕に直接付けてジャケットで覆えば体温でも温められるので動作は安定するようです。ミル規格 MIL-STD-810GをパスしているGPSガジェット
GPS専用端末ガーミン Foretrex 401(国内でも安価な並行輸入品が手に入る)
ガーミン Foretrex 601(国内正規品で最新モデル)
GPS内蔵スマートウォッチガーミン Instinct(耐氷結試験下で正常に動作)
カシオ PRO TREKスマート(耐低温 -10℃ 反動を検知してログに落とすセンサー搭載モデルあり)
ココで紹介したモノ以外にもいろいろあると思います。
安全に…とか、これがあれば絶対遭難しない…というモノではありませんが、淡々と情報を提供してくれるGPSガジェットはバックカントリー行動での強い味方です。後悔先に立たずといいます。保険と思って1つくらい持っていることを強くオススメしますよ。
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